株式会社フジクラ
私たちの街に甦れ生態系
はかせ、チョウは 雨の日は どこにいるの?
でんしろう君(くん)、まず、私(わたし)の夏(なつ)のキャンプのときの体験(たいけん)のお話(はなし)からしようね。キャンプ場(じょう)でのことなんだ。急(きゅう)に空が暗(くら)くなって 雨がふりだしたんだ。かみなりも鳴(な)って、私(わたし)たちは あわてて大きな木の下に にげこんだんだ。そうして、ふと、まわりを見ていて見つけたんだ。私(わたし)が雨やどりをしている木の下の草に、チョウが止(と)まっていて いっしょに 雨やどりをしていたんだ。でんしろう君(くん)のしつ問(もん)に ぴったりの話(はなし)だろう。チョウは、雨がふりはじめると、とぶのをやめて、近(ちか)くの木や草の葉(は)っぱの うらがわなど、雨にぬれないところに止(と)まって動(うご)かずにいるんだ。
でも、はかせ、葉(は)っぱのうらがわにいても、雨にぬれるよ?
そうだね。じつは、チョウたちは、葉(は)っぱのうらに いるだけじゃないんだ。でんしろう君(くん)も よく知(し)っているモンシロチョウでお話(はなし)しよう。でんしろう君(くん)は、モンシロチョウの羽(はね)をさわったことがあるだろう。そのとき、手に粉(こな)がついただろう。 君(きみ)の手についた その白っぽい粉(こな)のようなものを「りん粉(ぷん)」と言(い)うんだ。モンシロチョウは、体全体(からだぜんたい)に、この「りん粉(ぷん)」と呼(よ)ばれる小さな小さな「うろこ」のようなものが、いっぱいついているんだ。でんしろう君(くん)は、「うろこ」ってわかるかな? 魚(さかな)を思い出してほしいんだ。魚(さかな)の全体(ぜんたい)に ○(まる)や△(さんかく)などの 小さいものが重(かさ)なりあって ついていただろう。チョウの「りん粉(ぷん)」は、魚(さかな)のうろこと同(おな)じようなものなんだ。モンシロチョウには、この「りん粉(ぷん)」が全身(ぜんしん)にあるので、少(すこ)しくらいの雨なら、雨つぶをはじいてくれるんだ。このりん粉(ぷん)は、他(ほか)のチョウたちにもあるんだよ。
はかせ、「りん粉(ぷん)」ってチョウにとってだいじなものだね。
そうなんだ。この「りん粉(ぷん)」は、雨の日に家(いえ)の屋根(やね)にふる雨をうまく流(なが)してくれる「かわら」と同(おな)じような役目(やくめ)をするんだ。 このように、モンシロチョウをはじめチョウたちは、「自(し)ぜん」の中でも、ちゃんと生きていけるような体(からだ)のしくみを持(も)っているんだ。 でんしろう君(くん)、チョウって すばらしいだろう。それを作(つく)った「自(し)ぜんの力」もすごいよね。