でんしろう君（くん）、虫たちも　もちろん　ねむるよ。ただ、虫たちは、「まぶた」がないのでボーっとしているようにしか見えないんだ。カブトムシでお話（はなし）をしよう。カブトムシがいるところは　森や林だよね。カブトムシが起（お）きるのは　太陽（たいよう）がしずんでからで、動（うご）きまわるのは　夜（よる）の8時（じ）すぎなんだ。カブトムシは、夜（よる）は　クヌギやコナラなどの樹液（じゅえき）をさがして動（うご）き回（まわ）り、朝（あさ）になると森や林のおち葉（ば）の下などにもぐってねむるんだ。そして、昼（ひる）の間（あいだ）は、うす暗（くら）い林のなかでじっとしているんだよ。

カブトムシの目は、あまりよく見えないんだ。また、すばやく動（うご）き回（まわ）ることもできないので　カラスやイタチなどの敵（てき）から、身（み）を守（まも）るためにも外（そと）が明（あか）るいときは、じっと身（み）を　かくしていたほうが良（い）いんだよ。

そうだね。昼間（ひるま）に動（うご）き回（まわ）り、夜（よる）になるとねむる虫もいるよ。でんしろう君（くん）は、花ふんを食（た）べる「アオハナムグリ」を知（し）っているかな。コガネムシのなかまだよ。わたしは、以前（いぜん）に、この虫の研究(けんきゅう)をしていたんだ。、「アオハナムグリ」は、夜（よる）になるとケースにひいたティッシュの下にもぐって　ねむっていたんだ。そして、朝（あさ）になると、もそもそと　ティッシュの中から起（お）きだしてくるんだ。

でんしろう君（くん）、カブトムシのように夜（よる）に動（うご）き回（まわ）ることを　「夜行性（やこうせい）」と言（い）うんだ。その他（ほか）のこん虫では、でんしろう君（くん）も知ってる　クワガタやコガネムシ、また、ガ　もそうだね。秋（あき）になると夜（よる）の間（あいだ）じゅう　鳴（な）いている虫たち、これらはみんな夜行性（やこうせい）の虫たちだよ。

さいきんの研究(けんきゅう)で、虫も人間（にんげん）と同（おな）じように　ねむることがわかってきたんだ。たとえば、ハエのなかまのショウジョウバエは、夜（よる）の間（あいだ）、ほとんど動（うご）かないで　ねむっているんだ。昼間（ひるま）なら　つかまえようとしても、すばやくにげるハエだけど、夜（よる）は、動（うご）きも　にぶいんだ。それで、夜（よる）、動（うご）かなくなっているときに、がたがたゆすったりして　睡眠（すいみん）のじゃまをすると　どうなるのかの実験（じっけん）をしたんだ。こんなことをすると人間（にんげん）なら、睡眠（すいみん）がたりなくて、昼間（ひるま）にねむくなるだろう。このショウジョウバエも、昼間（ひるま）なのに動（うご）かなくなってしまうんだ。これは寝不足（ねぶそく）で動（うご）けない私（わたし）たち人間（にんげん）に　よくにているね。