株式会社フジクラ
私たちの街に甦れ生態系
はかせ、アカトンボというトンボはいるの?
でんしろう君(くん)、「赤とんぼ」という名前(なまえ)のトンボは、じつは、いないんだ。わたしたちが「赤とんぼ」と言(い)っているのは、アカネ属(ぞく)のトンボをまとめてよぶ言葉(ことば)なんだ。トンボは、とても寒(さむ)い地方(ちほう)をのぞいて 世界中(せかいじゅう)にいて、その仲間(なかま)は、6000種類(しゅるい)にもなるんだ。その中でアカネ属(ぞく)のトンボは、世界(せかい)に50種類(しゅるい)ほど、日本(にほん)には 21種類(しゅるい)いるんだ。また、ショウジョウトンボやハッチョウトンボのようにアカネ属(ぞく)ではないトンボにも 体(からだ)が赤いトンボがいて、それらをふくめて「赤とんぼ」と よばれているんだ。
はかせ、体(からだ)が赤くなるトンボを 「赤とんぼ」というんだね?
そうなんだ。ただ、体(からだ)が赤くなるのは オスだけなんだよ。オスがおとなになると体(からだ)の色(いろ)が赤色(あかいろ)にかわるんだ。だけど、メスは、体(からだ)の色(いろ)が かわることはないんだ。
はかせ、アカトンボは、なぜ赤くなるの?
ある研究所(けんきゅうじょ)が、「赤とんぼ」の研究(けんきゅ)をしたんだ。ショウジョウトンボ、アキアカネ、ナツアカネの3つのトンボの「おなかの皮(ひ)ふ」から 色(いろ)のもととなる「色素(しきそ)」をとりだして、「酸化(さんか)」という化学反応(かがくはんのう)をおこす材料(ざいりょう)を入(い)れると 黄色(きいろ)になったんだ。また、酸化(さんか)の反対(はんたい)の化学反応(かがくはんのう)をおこす「還元剤(かんげんざい)」を入(い)れると、今度(こんど)は赤色(あかいろ)になったんだ。さらに、その還元剤(かんげんざい)としてビタミンCを、若(わか)いオスとおとなのメスの体(からだ)に入(い)れたところ、両方(りょうほう)とも おとなのオスのように真っ赤(まっか)な色(いろ)にかわったんだ。でんしろう君(くん)、ちょっとむつかしいよね。だけど、この研究(けんきゅう)のおかげで、赤とんぼが “なぜ赤いか”が わかったんだよ。
はかせ、オスはどうして赤くなるの?
オスだけが赤くなるのは、オスどうしの縄張り争い(なわばりあらそい)やメスへのアピールがあるんだ。また、さいきんの研究(けんきゅ)でわかってきたんだけど、陽(ひ)のあたるところで長(なが)い時間(じかん)、縄張り(なわばり)を守(まも)っているオスの赤い色(いろ)は、ふりそそぐ太陽(たいよう)の強(つよ)い光(ひかり)「紫外線(しがいせん)」から、体(からだ)を守(まも)る役目(やくめ)もあるようなんだ。