株式会社フジクラ
私たちの街に甦れ生態系
はかせ、トンボが、速(はや)くとんだり、空中(くうちゅう)で止(と)まったり できるのは なぜ?
でんしろう君(くん)は、トンボは好(す)きだろう? 夏(なつ)の空(そら)に たくさんのトンボたちが 群(む)れでとんだり、オニヤンマのように大きくてかっこいいトンボがいたり、また、ほそいトンボがいたりと、さまざまなトンボたちがいるよね。このトンボたち、じつは すごい能力(のうりょく)をもっているんだ。でんしろう君(くん)、どんな能力(のうりょく)か わかるかな?
なんだろう?はかせ、教(おし)えて ください。
でんしろう君(くん)、それはね、トンボは、4まいの羽(はね)を とても うまく使(つか)いながらとぶんだ。トンボが うまくとべるのは、もっている4まいの羽(はね)の1まいごとに ちがった「きん肉(にく)」がついていて、4まいの羽(はね)を自由(じゆう)に使(つか)いわけて とぶことができるんだ。そのために、トンボは、速(はや)くとんだり、急(きゅう)に方向(ほうこう)をかえたり、うら返(かえ)ってとんだり、空中(くうちゅう)で止(と)まったり することができるんだ。
トンボは、4まいの羽(はね)を自由(じゆう)に うごかせるんだね
それだけじゃないんだ。 トンボは、速(はや)くとぶときや 空中(くうちゅう)で止(と)まる時(とき)では、「羽(は)ばたきかた」をかえているんだ。また、トンボの羽(はね)は、うすくて1000分(ぶん)の3ミリほどで、やわらかいので、とび方(かた)にあわせて 羽(はね)の形(かたち)も かえてとぶことができるんだ。さらに、これは、さいきんになって わかったんだが、トンボは、少(すこ)しだけど 後(うし)ろへも とべるんだ。羽(はね)でとぶ生きもので このように後(うし)ろに とぶことができるものは、少(すく)ないんだ。トンボは、このように いろいろなとびかたができるから、エサである虫を追(お)いかけて速(はや)くとんだり、遠(とお)くまでとびつづけたり、ふわっと 竹(たけ)の先(さき)にだって止(と)まれるんだね。
はかせ、トンボって 後(うし)ろに もとべるんだね。
そうなんだ。でんしろう君(くん)、トンボのすごいところ まだあるんだよ。トンボの足は、とぶときの「スイッチ」になっているんだ。足が草などに触(ふ)れると羽(はね)が止(と)まり、足が草をはなれると 羽(はね)が動(うご)きをはじめる、そんなすぐれた仕組(しく)みになっているんだ。でんしろう君(くん)は、車のことは くわしいかな? 車にくわしい人なら知(し)っているだけど、車の中には、信号(しんごう)で止(と)まるとエンジンが止(と)まり、車が動(うご)きだすと、すぐエンジンが動(うご)き始(はじ)めるものがあるんだ。これは、「アイドリング・ストップ」という車の仕組(しく)みなんだ。トンボの足のスイッチと 車のアイドリング・ストップとは、よくにているね。そうだ!でんしろう君(くん)、数千(すううせん)キロメートルも遠(とお)くまで とぶことができるトンボがいることを知(し)っているかな?
ちょっと聞(き)いたことはあるけど、くわしくは知(し)りません。
それは、ウスバキトンボやハネビロトンボというトンボたちなんだ。このトンボたちは、後(うし)ろの羽(はね)の一部(いちぶ)が広(ひろ)くなっていて、ちょうどグライダーのように風(かぜ)に乗(の)って とぶことができるんだ。そのために、つかれないで遠(とお)くまで とんで行(い)けるんだね。これらのトンボは、数千(すうせん)キロメートルはなれた 遠(とお)い南(みなみ)の国(くに)から、はるばる海(うみ)をわって 日本(にほん)にやってくるんだ。でんしろう君(くん)、トンボたちのすごい能力(のうりょく)のこと、わかってくれたかな?
はかせ、トンボたちがすごいって、よくわかりました。