株式会社フジクラ
私たちの街に甦れ生態系
はかせ、ダンゴムシとワラジムシは 違(ちが)うの?
でんしろう君(くん)、ダンゴムシは、公園(こうえん)や花だん などで よく見かけるね。このダンゴムシ、子どもたちには人気(にんき)があるのに、なぜか大人(おとな)には、きらわれるんだ。さわると クルッと丸(まる)くなって おもしろいのにね。でんしろう君(くん)、「ワラジムシ」については、かたちは ダンゴムシによくにているけど 別(べつ)の生(い)きものなんだ。こんど、さわる前(まえ)にダンゴムシか、ワラジムシか 見分(みわ)けてごらん。ワラジムシは、ダンゴムシより すこし平(ひら)ぺったいから 見てもわかると思(おも)うけど、「背中(せなか)」をさわってみて、丸(まる)まるかどうかでわかるよ。ダンゴムシの背中(せなか)は、カチカチにかたいけど、ワラジムシの背中(せなか)は、やわらかなんだ。ワラジムシは、丸(まる)まることはできないかわりに、にげ足(あし)がはやくて、あぶなくなると、さっと かくれてしまうんだ。
ダンゴムシは、どうして丸(まる)くなるの?
ダンゴムシは、アリなどの敵(てき)に おそわれたりすると、丸(まる)くなって じーっとがまんをしていて、敵(てき)が あきらめるのを待(ま)つんだ。ダンゴムシが丸くなるわけは、ダンゴムシの頭(あたま)やお腹(なか)は、敵(てき)におそわれると弱(よわ)いところなんだ。それが、丸(まる)くなると 頭(あたま)も お腹(なか)も中に入(はい)ってしまうんだね。こうなると、アリなどの敵(てき)が食(た)べようとしても やわらかいところがないから、食(た)べることができないんだ。ダンゴムシが丸(まる)くなるのは、このように敵(てき)から自分(じぶん)の身(み)を守(まも)るためなんだ。動物(どうぶつ)のアルマジロに よくにているね。
はかせ、ダンゴムシが、丸(まる)くなれるのは、どうしてですか?
でんしろう君(くん)、ダンゴムシが、どうして丸(まる)くなれるのかは、ダンゴムシの「体(からだ)のつくり」を見るとわかるんだ。ダンゴムシの体(からだ)には、関節(かんせつ)のように曲(ま)げることができる「節(せつ)」といわれるものが7つあって、その1つ1つが、かたい甲羅(こうら)のようになっているんだ。甲羅(こうら)は、カメの甲羅(こうら)を思(おも)いだしてごらん。とてもかたいよね。でも、この節(せつ)と節(せつ)の間(あいだ)は、うすい皮(かわ)でつながっているんだ。ちょうど、ブルドーザーのキャタピラーに よくにているんだ。ダンゴムシは、敵(てき)に出会う(であう)と、丸(まる)くなって キュッと体(からだ)を内(うち)がわに ちぢめるんだ。そうすると 7つの甲羅(こうら)のつなぎ目が内(うち)がわに引(ひ)っぱられて 外(そと)がわの甲羅(こいら)も丸(まる)くなるんだよ。もし、甲羅(こうら)のつなぎ目もかたいと 丸(まる)くなることはできないからね。
はかせ、ダンゴムシは、「こん虫」のなかまじゃないの?
でんしろう君(くん)、そうなんだ。ダンゴムシやワラジムシは、「こん虫」ではないんだ。こん虫は、足が6本と決(き)まっているよね。だけど、ダンゴムシの足は、14本で、クモでも、ヤスデやムカデのなかまでもないんだ。ダンゴムシやワラジムシは、じつは甲殻類(こうかくるい)と言(い)ってエビやカニと同(おな)じなかまなんだよ。7つの節(せつ)には、2本ずつの足がついていて、あわせて14本の足になるんだ。ダンゴムシの子育(こそだ)ては、ちょっと変(かわ)わっているんだよ。足のつけねに「育児嚢(いくじのう)」という「ふくろ」があって、このふくろの中で 幼虫(ようちゅう)を育(そだ)てるんだ。ダンゴムシは、エビとは形(かたち)がちがうけど、海(うみ)から陸(りく)にあがったエビ と考(かんが)えると わかりやすいかな。そう考(かんが)えると、でんしろう君(くん)、ダンゴムシを見る目がこれまでと ちがってくるんじゃないかな。