株式会社フジクラ
私たちの街に甦れ生態系
はかせ、このまえ、東京(とうきょう)木場(きば)にある「千年の森(せんねんのもり)」で カワセミを見(み)たよ。とてもきれいな水色(みずいろ)だった。
カワセミは、もともと 山の谷川(たにがわ)にすむ鳥(とり)なんだ。それが 都心(としん)でも 見(み)られることは、とてもすばらしいことだね。カワセミは、きれいな水色(みずいろ)をしているので 「渓流(けいりゅう)の宝石(ほうせき)」とも よばれているんだ。渓流(けいりゅう)とは、山のなかの谷川(たにがわ)のことだよ。カワセミの名前(ねまえ)を漢字(かんじ)でかくと 「翡翠(ひすい)」とかくんだが、これは、緑色(みどりいろ)をした宝石(ほうせき)をいみすることばなんだ。
はかせ、カワセミは、どうして、きれいな水色(みずいろ)をしているの? メスにプロポーズするためなの?
南(みなみ)の国(くに)にすむ鳥(とり)のなかには、メスにプロポーズするために オスがきれいな色(いろ)をしているものが多(おお)いよね。だけど、カワセミのばあいは、オスもメスも同(おな)じように きれいな水色(みずいろ)をしているから、メスにプロポーズするためとは 考(かんが)えられないんだ。考(かんが)えられる理由(りゆう)は、敵(てき)にたいして目立(めだ)つ役目(やくめ)なんだ。もうすこし説明(せつめい)すると、カワセミは、山の谷川(たにがわ)の崖(がけ)に巣(す)をつくって まわりに「なわばり」をもっているんだ。とくに、子育(こそだ)てのじきは、オスもメスも鳴(な)きながら「なわばり」を飛(と)びまわって 見張(みは)りをするんだ。そんなとき、カワセミのあざやかな水色(みずいろ)は、近(ちか)づいてきた敵(てき)に自分がいることをしめして、 目立(めだ)つ役目(やくめ)をしているんだ。
カワセミの羽(はね)は、どうして 輝(かが)やいているの?
カワセミの羽(はね)の 輝(かがや)く水色(みずいろ)は、もともとの色(いろ)ではないんだ。説明(せつめい)がむつかしくなるが、あの色(いろ)は、「光(ひかり)によっておきる干渉(かんしょう)」によるものなんだ。カワセミの羽(はね)は、「目(め)にみえない こまかい こまかい つくり」になっていて、そのために 光(ひかり)の干渉(かんしょう)がおき、輝(かがや)いて見(み)えるんだ。このような色(いろ)のことを、むつかしいことばで 「構造色(こうぞうしょく)」というんだ。くらのすけ君(くん)もよくしってる「モルフォチョウ」のきれいな羽(はね)もそうだし、シャポン玉(だま)やCD(コンパクトディスク)の輝(かがや)く色(いろ)も、おなじなんだよ。
はかせ、「構造色(こうぞうしょく)」で光(ひか)る鳥(とり)は カワセミのほかにもいますか?
すぐに思(おも)いつくのは、クジャクのきれいな羽(はね)がそうだよ。その他(ほか)に、ハトの首(くび)のまわりやカルガモの翼(つばさ)の下(した)にも「構造色(こうぞうしょく)」で輝(かがや)く羽(はね)があるよ。そうだ、カラスの黒(くろ)い羽(はね)が緑色(みどりいろ)にひかって見(み)えることがあるが、あれもそうなんだ。
フラミンゴのきれいなピンクの羽(はね)の色(いろ)も そうなの?
フラミンゴの羽(はね) ちがうんだ。あのきれいなピンク色(いろ)は、フラミンゴのエサであるプランクトンにふくまれている色(いろ)なんだよ。