株式会社フジクラ
私たちの街に甦れ生態系
はかせ、カラスは こわい鳥(とり)なの?
くらのすけ君(くん)、カラスは、こわい鳥(とり)ではないんだ。「カラスはこわい」とおもう人がいるのは、カラスが人をおそったというニュースを 聞(き)いたためだろうね。ただ、私(わたし)たちが、カラスに気(き)をつけないと いけない時期(じき)があるんだ。それは、カラスが子育(こそだ)てをする5~6月(がつ)なんだ。この時期(じき)、巣(す)にヒナがいるから、カラスは、巣(す)のちかくを通(とお)る人(ひと)を ヒナをとりにきたと おもって、おそうことが たまにあるんだ。また、カラスには「なわばり」があって、巣(す)から20~100メートルのはんいなんだ。私(わたし)たちは、気付(きづ)かないうちに カラスの「なわばり」にはいっていて、巣(す)の近(ちか)くを通(とお)っていることがあるんだ。そんなとき、カラスは、「カッ、カツ」と短(みじか)く鳴(な)きながら 近(ちか)づいた人のまわりをとびまわって、「巣(す)に近(ちか)づくな」と言(い)っているんだ。それでも 「なわばり」から出(で)て行(い)かない人には、「ガーツ、ガーツ」と鳴(な)きながら、枝(えだ)や葉(は)を おとしたりするんだ。
カラスは どのように人(ひと)をおそうの?
カラスが人をおそうのは、ヒナが巣立(すだ)つ時期(じき)である6月(がつ)が多(おお)いんだ。カラスは、人のうしろから飛(と)んできて 頭(あたま)のうしろがわをかすめるように飛(と)ぶんだ。ふつうは、おどかすだけだけど、たまに くちばしや つめで人に けがをさせることがあるんだ。北海道(ほっかいどう)では、カラスが、通学(つうがく)の子どもたちの帽子(ぼうし)を はらいのけたり、帽子(ぼうし)がとれない子どもには 耳(みみ)をつついたりしたんだ。
はかせ、ほかに注意(ちゅうい)することがありますか?
くらのすけ君(くん)、それでは、けっして やってはいけないことを お話(はなし)しよう。人が おもしろがって、木の上のカラスの巣(す)をのぞいたり、ヒナにいたずらなどをすると 一番(いちばん)きけんなんだ。親(おや)カラスが、おこって、本気(ほんき)でおそってくるんだ。カラスは、いたずらをした人の顔(かお)をおぼえていて、くりかえし おそってくるんだよ。
はかせ、むかしは、カラスが人をおそうことはなかったと きいたことがあるよ。なのに どうして カラスが人をおそうようになったの?
くらのすけ君(くん)、カラスが人(ひと)をおそうようになったのは、カラスの生活(せいかつ)の範囲(はんい)と 人の生活(せいかつ)の範囲(はんい)が かさなってきたことに原因(げんいん)があるんだ。わたしたちの生活(せいかつ)がゆたかになり、わたしたちのだす「生(なま)ごみ」が 町(まち)には たくさんあることを カラスはまなんで 人の近(ちか)くに くるようになったんだ。人が原因(げんいん)をつくったんだね。くらのすけ君(くん)、カラスは、法律(ほうりつ)で ほごされている野生動物(やせいどうぶつ)なんだ。カラスが、おそったりするからと、いじめたり、きづつけたりしてはいけないんだ。
カラスは、「かしこい鳥(とり)」って 本当(ほんとう)ですか?
カラスは、とてもかしこくて 学習(がくしゅう)をする鳥(とり)なんだ。くらのすけ君(くん)、ニュースになっていたからおぼえているかなあ。カラスが、林(はやし)からクルミの実(み)をくわえてきて、それを交差点(こうさてん)において、クルミのかたい「から」を車(くるま)にわらせて、その中身(なかみ)をたべていたんだ。また、カラスの研究(けんきゅう)でわかったんだが、カラスは15人の人の顔(かお)を みわけることができたんだよ。