株式会社フジクラ
私たちの街に甦れ生態系
はかせ、秋(あき)になると葉(は)っぱが赤くなるのは なぜですか?
さくらちゃん、秋(あき)になると緑色(みどりいろ)だった木の葉(は)が、赤や黄色(きいろ)になるよね。これを「紅葉(こうよう)」と言(い)うんだ。だけど、木はみんなが紅葉(こうよう)するわけではないんだ。たとえば、マツやスギなどの「常緑樹(じょうりょくじゅ)」という種類(しゅるい)は、冬(ふゆ)でも緑(みどり)の葉(は)のままなんだ。でも、サクラ、モミジ、ブナ、イチョウなどのように秋(あき)から冬(ふゆ)のあいだに 葉(は)がなくなる木は、「落葉樹(らくようじゅ)」といって、これらの中には紅葉(こうよう)をするものがあるんだ。落葉樹(らくようじゅ)でも紅葉(こうよう)をしないものもあるんだ。
葉(は)っぱが赤や黄色(きいろ)になることを 紅葉(こうよう)と言(い)うんですね。
そうだよ。紅葉(こうよう)は、木たちが冬(ふゆ)をむかえるじゅんびとして、自分(じぶん)で葉(は)を切(き)りはなそうとする活動(かつどう)の一部(いちぶ)なんだ。たとえば、モミジは、秋(あき)に気温(きおん)が下がりだすと、葉(は)を落(お)とすために、葉(は)に送(おく)っていた水などを止(と)めてしまうんだ。そうすると、葉(は)のなかで栄養(えいよう)を作(つく)っていた緑色(みどりいろ)の葉緑素(ようりょくそ)というものがこわれて、それまで見(み)えなかった黄色(きいろ)い「カロチノイド」というものが 葉(は)の表面(ひょうめん)にでてくるんだ。これがイチョウなどが黄色(きいろ)くなる「黄葉(こうよう)」なんだ。
はかせ、それでは、葉(は)っぱが赤くなるのは、どうしてですか?
さくらちゃん、葉(は)が赤くなるのは、葉(は)のなかで こわれた葉緑素(ようりょくそ)と葉(は)のなかに残(のこ)っていた栄養(えいよう)である糖分(とうぶん)とがいっしょになって 「アントシアン」という赤色(あかいろ)のものにかわるんだ。このアントシアンがふえてくると、モミジのような赤(あか)い「紅葉(こうよう)」となるんだ。
はかせ、紅葉(こうよう)は、寒(さむ)くなると起(お)きるの?
さくらちゃん、寒(さむ)くなると紅葉(こうよう)するというわけではないんだ。紅葉(こうよう)するためには、ある「じょうけん」がひつようなんだ。紅葉(こうよう)は、秋(あき)になって朝(あさ)の気温(きおん)が、6~7度(ど)くらいになると紅葉(こうよう)が始(はじ)まるんだ。さらに、この寒(さむ)い朝(あさ)の日が、20~25日間(にちかん)つづくと 紅葉(こうよう)は いちばんきれいになるんだ。日本人(にほんじん)は、昔(むかし)から紅葉(こうよう)が大すきで、「紅葉狩り(もみじがり)」と言(い)って、みんなで紅葉(こうよう)を見にでかけ、秋(あき)のたいせつな行事(ぎょうじ)のひとつとしてきたんだ。それも、ここ日本(にほん)は、世界(せかい)でも いちばん紅葉(こうよう)の美(うちく)しい国(くに)だからね。さくらちゃん、紅葉(こうよう)のこと、わかったかな。
はかせ、よくわかりました。