すずちゃん、魚（さかな）は、“まぶた”がないから　わかりにくいが、もちろん、眠（ねむ）っているんだ。眠（ねむ）っているときも、目（め）はあけたままだよ。魚（さかな）たちは、岩（いわ）のかげや水草（みずくさ）のあいだで、じっとして眠（ねむ）るものが多（おお）いんだ。

海（うみ）の魚（さかな）たちは、サメやウツボのように夜（よる）に動（うご）きまわる「こわい魚（さかな）」から　たべられないための工夫（くふう）をしているんだ。たとえば、クマノミは、イソギンチャクのなかで眠（ねむ）るんだ。ハゲブダイという魚（さかな）は　おもしろいんだよ。このハゲブダイは、体（からだ）から　ねばねばのゼリーのようなものをだして、寝袋（ねぶくろ）のように全身（ぜんしん）をつつんで眠（ねむ）るんだ。これで、じぶんの匂（にお）いがまわりに出（で）ないので、　匂（にお）いで　えものをさがす　こわいウツボなどにも　きづかれないんだ。

眠（ねむ）る魚（さかな）で　おもしろいものは　ほかにもいるよ。たとえば、キュウセンという魚（さかな）は、砂（すな）にもぐって眠（ねむ）るんだ。また、ヒメアナゴという魚（さかな）は、毒（どく）のある背（せ）びれをたてて、敵（てき）におそわれないようにして眠（ねむ）るんだ。

魚（さかな）の眠（ねむ）る時間（じかん）は、いろいろなんだ。　泳（およ）いでいないと呼吸（こきゅう）ができないマグロは、泳（およ）ぎながら眠（ねむ）るんだ。ただ、このマグロは、脳（のう）が小さいから眠（ねむ）るといっても短（みじか）くて　５秒（びょう）ほどなんだ。そのかわり　なんども眠（ねむ）るんだよ。また、さきほどの　ゼリーのような寝袋（ねぶくろ）で眠（ねむ）るハゲブダイは、１４時間（じかん）ほど眠（ねむ）るんだ。