株式会社フジクラ
私たちの街に甦れ生態系
はかせ、モーターボートでも追(お)いつかないくらい速(はや)い クジラがいるって 本当(ほんとう)ですか?
タイぞう君(くん)、それは「イワシクジラ」のことだね。クジラにも いろいろな種類(しゅるい)のものがいるけど、その中でも 泳(およ)ぐのが速(はや)いクジラと言(い)えば この「イワシクジラ」なんだ。
「イワシクジラ」って、どんなクジラですか?
「イワシクジラ」は、シロナガスクジラ、ナガスクジラにつぐ 大きなクジラで、体長(たいちょう)は15メートル、重(おも)さは20トンにもなるんだよ。体(からだ)の形(かたち)は、鎌(かま)の形(かたち)をした「せびれ」をもち、スマートな「紡錘形(ぼうすいけい)」なんだ。紡錘形(ぼうすいけい)は、水の力を受(う)けにくく、水の中を速(はや)く進(すす)むことができるんだ。この「イワシクジラ」は、イワシの大きなむれを数頭(すうとう)で追(お)いこみ、吹(ふ)き出すアワで カーテンのように とり囲(かこ)んで みんなで一せいに水面(すいめん)へと上がって イワシの群(む)れを丸飲(まるの)みにするんだよ。「イワシクジラ」は、イワシと いっしょにいることが多(おお)いんだ。昔(むかし)から、このクジラがいると イワシが取(と)れることから この名前(なまえ)がつけられたようだね。
はかせ、「イワシクジラ」は、どのくらい速(はや)く泳(およ)ぐの?
「イワシクジラ」は、スマートな体(からだ)で、おびれが大きく、体(からだ)をムチのように大きくゆすりながら時速(じそく)で60キロメートル以上(いじょう)の速(はや)さで泳(およ)ぐんだ。水面(すいめん)をもうスピードで走(はし)るモータボートも速(はや)いよね。このモーターボートの速(はや)さは、およそ時速(じそく)50キロメートルだよ。この速(はや)いモーターボートで追(お)いかけても、「イワシクジラ」には、追(お)いつけずに、はなされてしまうんだ。また、イルカも速(はや)いと言(い)われているけど、速(はや)いイルカでも時速(じそく)55キロメートルほどだから タイぞう君(くん)、この「イワシクジラ」の速(はや)さが わかるだろう。
はかせ、「イワシクジラ」は、どうして そんなに速(はや)く泳(およ)ぐの?
「イワシクジラ」が、速(はや)く泳(およ)ぐ理由(りゆう)には、2つほどあるようなんだ。その1つ目は、敵(てき)であるシャチに追(お)いかけられて 逃(に)げるときだ。このシャチも泳(およ)ぐのが とても速(はや)いからね。2つ目の理由(りゆう)は、エサとなるイワシの大きなむれを 数頭(すうとう)で追(お)いかけるときだよ。実(じつ)は、この「イワシクジラ」は、まだまだ よくわかっていないことも多(おお)いんだ。それというのも、「イワシクジラ」は、泳(およ)ぐのが とても速(はや)いから 調査(ちょうさ)をすることが とてもむつかしかったんだ。「イワシクジラ」の研究(けんきゅう)が、もっともっと進(すす)んで おもしろいことが いろいろわかるといいよね。